読んで字のごとく・・
片方の意見や情報を聞いて
すぐに判断しては行けないという戒めです。
08年放送の大河ドラマ「篤姫」の劇中のセリフ。
篤姫の母である、お幸さんが篤姫に対し
人の上に立つ者としての心得として贈った言葉です。
片方の言い分だけを聞いて
勝手に判断しては行けません・・と。
この頃は「自分らしく」という言葉が
様々な場面でモテハヤされています。
多様性の時代ですと・・・。
では、この「自分らしく」とはいったい何でしょうか?。
君にとって、あなたにとっての「あなたらしさ」とは
いったいなんでしょう?。
この事を理解できている人は
なかなかいらっしゃらないと思います。
前章の「放心」でも学びました。
例えばラジオやテレビを通しての自分は、
もっとも「石垣さんらしい」と思われています。
バカな事言って、下ネタ話しをしている自分を
「石垣さんらしいよね・・」で
大概は片付けられるんです(笑)。
だからと言って、そう思われている自分に
何か問題があるわけでも、
不満があるわけでもありません。
自分のある一面を見られて
皆さんが判断されているに過ぎないからです。
行きつけの小料理屋のお母さんと
気のおけない話しをしている自分。
友達と飲んでいる時の自分。
先輩や後輩と接している時の自分。
家族と話しをしているときの自分。
実はいろんな自分がそこにいます。
また受け手によっても印象というものは
だいぶ変わってくると思います。
実はそれが健全というものです。
結局他人から見た「貴方らしさ」というものは
あくまで印象度であって、内なる貴方を他人がどれほど
理解しているか?といった理解度とは違います。
「自分ていったいなんなんだ?」って
考えた事がある人もいるでしょう。
「内なる自分」は、実は非常に危険な人物である事を
皆さんはもうご存知だと思います。
「金銭欲・名誉欲・物欲・性欲・嫉妬・ねたみ云々」。
極端な話しをすれば
「自分は非常に猟奇的な人間である」と
己の闇を理解したからと言って、
それを「らしさ」という概念的な言葉で
くくる事は出来ません。
そんな猟奇的な自分が、
親から「あなたらしく生きてごらん!」と
常々言われたので、殺人をしてしまいました。
僕は「らしさ」を追求したのです!って言う
理論にはなりません。これでは筋が通りません。
その非常に危険な自分を抑制してくれるのが、
他人との健全な相互関係なんだと僕は思います。
まさに福沢先生の「Society」の教えです。
理不尽なクラスメイト、
信頼出来ない大人と向き合っていても、
もう一方では家族であったり、
信頼出来る友人であったりと・・
多面的に人と向き合っていれば
心のバランスが取れるんです。
そこで育まれるのが「理性」です。
自分以外の他人との多面的な関係を通して
自分という人間が確立していくんです。
その他者が生身の人間ではなくネットだとしたら?
自分が高い人生授業料を払って得たものの一つは
人と人との距離感や温度感を図るメジャーと温度計。
自分もこうしてネットを通して発信していますが
若いうちに距離感や温度感を感じることができないのが
ネット社会のネックなんだろうと思います。
だってシレッと熱い言葉を書けますから(笑)
生身だとすぐに嘘だとわかりますが・・・
SNSだとそうはいきません。
自分だけを見つめて「らしさ」を追求する事は
非常に危険な作業です。
そんなモノは追求しなくても貴方は貴方なんです。
人のある一面だけを覗いたからといって、
あいつはああいう人間なんだ!と
わかったように付箋を貼るような事だけは
しないようにしたいものです。
多角的で広い視野でもって情報を精査し
「一方を聞いて沙汰する」事のない人間でありたい。
そうあるようにお互い努力しましょう。
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